堤幸彦の“大変な舞台”に松平健ら「不安に…」

2018/06/19 20:23 Written by Narinari.com編集部

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山田風太郎の人気伝奇小説「魔界転生(まかいてんしょう)」が、演出・堤幸彦、脚本・マキノノゾミの強力タッグで、日本テレビ開局65年記念舞台としてこの秋に上演される。6月19日にはメインキャストが揃い、制作発表会見が行われた。

堤とマキノのタッグは、2014年に舞台公演を行った「真田十勇士」に続き2度目。「真田十勇士」は堤監督のもと、2016年に映画化もされ話題となった。

今回、主役の柳生十兵衛を演じる上川隆也は「平成最後の秋。この『魔界転生』を観に足を運んでくださった方々が、いつの日か、この平成最後の秋を思い返したときに、『あの秋は楽しかったね。あのお芝居を観て本当に素敵だったね』と思い返していただけるような舞台を作り上げていきたい」と意気込む。

マキノは、山田風太郎の原作、そして有名な深作欣二監督の映画版、どちらもリスペクトしながら、でもまったく違う新しいもの、をコンセプトに脚本を執筆。「なおかつ、とにかくプロデューサーから今まで見たことのない芝居にしたいんだ、と強い要望がありましたので、今まで見たことのない脚本のつもりで書きました。結果、おそらくスタッフが読むと『どうやってやるんだ!』と激怒するような無茶苦茶な脚本」と自ら告白。

その理由は、通常では考えられない場数(シーン数)。「僕が自分で演出する場合にはこんなの絶対に無理」と言い切り、「むしろこれが出来たのを観られたらすごいと思うくらい、自分でもちょっと想像がつかない」と、堤の演出に期待を寄せた。

堤は「今できる舞台技術の最高峰を結集して、とにかくやったことのないことに挑戦しようという、かなり大胆な舞台になっている。どんどん変化するシーンに縦横無尽に対応する装置を現在考案中。ちょっと特許を申請しようかなと思ったくらい」と冗談を交えながら語る中で、「一番言いたいのは、役者の皆様、大変です」とキャスト陣に向かって切り出し、「年齢関係なく、男性陣の俳優のみなさんがもてる身体の限界までチャレンジしていただく」とプレッシャーをかけた。

「移動中も堤さんに二言目には『大変だから』と言われ、不安と期待の両方」と複雑な胸中を明かす、天草四郎役の溝端淳平。「やっぱり沢田研二さんの印象がとても強いんですよね」と自分から深作映画版の天草四郎を引き合いに出し、「尊敬しつつ、真似できるところは真似させていただいて、それをふまえて自分のオリジナルの天草四郎を作っていければ」とコメント。堤も「ジュリーを超える溝端さんの天草四郎対、人間の十兵衛」と煽った。

柳生十兵衛の父、柳生宗矩を演じる松平健は「今、みなさんの『大変だ』というお話を聞いていて、だんだん不安になってきた。一番の剣豪という役なので、また身体を鍛え直して頑張りたいと思います」と、気を引きしめたようだ。

堤の作品に出るのは、10代のとき以来と話したのは、お品を演じる高岡早紀。「こうして大人になってまたご一緒できることを本当に喜んでいます。見たこともない作品ということで、見たことのない私を演じさせて貰えるのかな、と楽しみが増えました」と、胸を高鳴らせているようだった。

そして、もう1人の女性メインキャストは淀殿を演じる浅野ゆう子。浅野は「真田十勇士」から出演しており、「そのときの淀殿が大好きで、打ち上げの時もマキノ先生に『淀殿、淀殿、淀殿……』とずっと耳元で囁き続け、もちろん堤監督にも『淀殿、淀殿……』と囁き、今回、『魔界転生』の原作にも映画にもまったく登場しない“淀殿”という役をいただきました、ありがとうございます」と、満面の笑みで挨拶。

今作の舞台で淀殿は、まさに浅野の執念と重なるような、「真田十勇士」で徳川を恨みながら命を落とすも魔界から転生する怨念にまみれた役となっている。

舞台「魔界転生」は、2018年10月6日の博多座(福岡)を皮切りに、明治座(東京)、梅田芸術メインホール(大阪)で上演される。

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