アンジェリーナ・ジョリー(50歳)は、両乳房切除術を受けたことを後悔していないという。

乳がんや卵巣がんの発症リスクを高めるBRCA1遺伝子保有者であることが判明し、2013年に同手術を受けたアンジェリーナ。母親で女優のマルシェリーヌ・ベルトランが乳がんにより56歳の若さで亡くなったことが決断の理由だったと振り返った。
アンジェリーナはハロー!誌にこう明かしている。
「母と祖母を若くして亡くしたからこそ、私はその手術を選択した」
「自分はBRCA遺伝子を持っているから、10年前に両乳房切除術を受けることを選んだ。母を亡くした原因となった卵巣も摘出した。私自身の選択ね」
「誰もが同じ選択をすべきとは言わないけど、その選択肢を持つことは重要。私は後悔していない」
新作映画「クチュール」で、パリ旅行中に乳がんと診断され「もう誰にも愛されないのでは」と悩む映画監督マキシン・ウォーカーを演じるアンジェリーナは、同作が、がんや同様の苦難を経験した全ての女性の心に響くと確信しているという。
「このテーマには語るべきことが多いし、女性だけでなく何かを経験した人、あるいは孤独で傷つきやすいと感じる全ての人を結びつける力があると思っている」
「女性特有のがんには特別な意味がある。私たち女性としての感覚や感情に明らかに影響を与えるものだから」
そしてがんをテーマにした作品にありがちな絶望や喪失とは違う希望のある同作のエンディングに驚いたというアンジェリーナは、マキシンががんと診断されてからも、男性キャラクターから性的魅力や欲望の対象であり続けたことは予想外だったとして、「この点を理解し続けることは本当に重要だと思う。女性として生き続け、欲望を持ち、感じ続けること。そして、そうした女性たちを愛する人々に、あなたにもできることかもしれないと気づかせること」と語った。
ちなみに同作の撮影中、アンジェリーナは母の形見のネックレスを身に着けていたそうだ。
「映画の中で母のネックレスと遺灰を身につけていた。母のことがずっと頭にあったから。母を追うかのように彼女にとっての様々な瞬間を思い返しながらね。母にもこんなコミュニティ(がんや喪失を経験した同作のキャストやクルー)があったら良かったのにと思った」
「母がもっと自由に、私のように率直に話せていたら、孤独を感じずに済んだのにって。母はきっとマキシンに『毎日を生き、人生に集中しなさい』と伝えたと思う。一瞬たりとも当たり前のことと思ってはいけないの」