人間のDNAを“作り出す”研究がイギリスで始まる。

ケンブリッジ大学、オックスフォード大学、マンチェスター大学、ケント大学、インペリアル・ロンドン・カレッジのチームが、遺伝子の塩基配列を書き込む試みを5年計画で進める予定だ。

科学慈善財団ウェルカム・トラストから1000万ポンド（約19.8億円）の資金援助を受け、ケンブリッジ大学医学研究評議会分子生物学研究所のジェイソン・チン氏が率いるSynHG（シンセティック・ヒューマン・ゲノム）プロジェクトだが、「特定の機能を持つようデザインされた新しい生物や細胞」を作り出す分野である合成ゲノミクスに関しては、「デザイナーベイビー」といった倫理的な懸念を示す声も上がっている状況だ。

一方で合成ゲノミクスに賛同する人々はDNAを構築する方法を学ぶことで、ヒトの生物学に対する理解が深まると主張。現在治療法が見つかっていない病気を治すことができる可能性を指摘している。